航空会社のマイレージプログラムは、ポピュラーで親しまれています。飛行機に乗ってマイル、ショッピングでマイル、クレジットカードでマイルと、マイレージの取得方法も多岐にわたります。
このマイレージプログラムが制度として成り立つ秘密はなんでしょうか?そこには、利用者、航空会社ともにWin-Winとなる関係があげられます。
■マイレージプログラムの成り立つ秘密
■航空会社にとって、1マイルのコストは
通常、貯めたマイルは、国内線や国際線の特典航空券に交換できます。また、エコノミーからビジネスクラスへのアップグレードなどにも利用できます。
例えばマイルを、ハワイまでのエコノミークラス国際線特典航空券に交換した場合、
- 特典航空券は、基本的には空席だった場所
- 特典航空券を取った便は運航がすでに決まっており、人的配置も変わらない
- 特典航空券の割合は航空会社が調整可能
航空会社の負担は、
- 機内で提供する機内食・飲み物サービス
- 座席・ブランケット・ヘッドフォンなどのメンテナンス
- 体重や荷物分の燃料
⇒見積もっても、数千円程度(国際線ファーストクラスでも数万円位)でしょう。
つまり、ハワイまで40000マイルを使っても、航空会社にかかるコスト(原価)は、1マイル1円どころか、はるかに激安なのです。
一方で、マイルを他の電子マネーやポイントに交換する企業提携もさまざまありますが、多くはマイルを移行できる量(年間)に上限があります。
多くは、10000マイル⇒10000円相当の交換率で、ポイントや電子マネーへ移行できるのですが、航空会社からすると、特典航空券よりも、はるかに痛い出費になることが予想されます(正確なコストはわかりませんが)。
■利用者にとって1マイルの価値は
マイルを貯めている利用者にとって、1マイルの価値はいくらくらいでしょうか?
利用者からすると、電子マネーよりも特典航空券の方が、お得感があります。
- 国内線特典航空券: 1.5円-5円
- 国際線エコノミー:2-7円
- 国際線ビジネスクラス・ファーストクラス:5-14円
- 電子マネーなどに交換:1円
■航空会社と利用者にとって、マイレージプログラムはWin-Win
- 航空会社からすると、なるべく自社の特典航空券としてマイルを消費してほしい
- 利用者からすると、特典航空券にした方がお得感がある
まさに、両者Win-Winです。
■マイルへ移行すると企業のポイントは高くつく
ポイントサイトや、クレジットカードのポイントを、マイルに交換できるサービスは、非常に多くありますが、交換レートは各社の力関係・規模や思惑によって違います。
例えば、ANAマイルへポイントを交換する場合、
- 楽天、T-POINTなど: 2円⇒1マイル相当
- ネットマイル: 3円⇒1マイル相当
- マツモトキヨシ: 5円⇒1マイル相当
1マイルをいくらで交換しているかは、航空会社と企業の間で決まるのでしょうけど、航空会社からすれば、悪い話ではありません。
企業は、自社ポイントをマイルへ交換できることを売りとし、航空会社は実利を得ています。
マツモトキヨシは、自社ポイントを、自社で消費してほしいという思惑から、非常に交換率が悪くなっています。
そのため、マイル移行費有料で高交換率のポイント交換ルールには、企業が想定していた以上のマイル交換が発生し、企業負担増⇒年会費無料、低交換率へ改悪の流れが続いています。
■マイレージプログラムは破綻するか?
マイレージプログラムでは、航空会社が破産すると、価値がゼロになってしまいます。
また、マイルをばらまきすぎると、マイルを取得しても特典航空券が取りにくくなったり、特典航空券に必要なマイル数が調整されたりもします。
マイルは貯めて使ってこそ、価値があります。
マイルに有効期限がある場合は、どのくらい貯められ利用できそうか、計算してみてはどうですか?