燃料費高騰を受け、燃料費削減を目指し、JALやANAは食器、コンテナなどのダイエットに取り組んでいます。
■航空機ダイエットに努める航空会社
⇒日本航空スプーン細く、機内誌ページ数減・航空機燃料ダイエット燃料高騰で (毎日新聞)
燃油高に苦しむ航空業界がグラム単位での航空機ダイエットに努めている。燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)で乗客の負担は重くなる一方だが、航空各社はスプーン1本あたり2グラムの減量など、機内食の食器や機内誌を軽量化して燃料費の削減を狙う。
日本航空(JAL)グループでは、国際線のビジネスクラスの機内食で使う有田焼を約20%軽量化。スプーン・フォークは柄の部分を細くすることで1本当たり2グラム軽くした。有田焼は、磁器メーカーが磁器素地の内部に5ミクロン以下の微細な気孔を形成させる技術などを駆使して軽くした。1機当たり有田焼は約3・5キロ、スプーン・フォークは約2・5キロの軽量化に成功したという。
貨物コンテナ(縦152センチ×横157センチ×高さ162センチ)は、従来のアルミ製を昨年度からガラス繊維系の素材を使うことで1台当たり26キロ軽くした結果、1機当たりで約1トン軽量化を実現した。従来満タンにしていたトイレなどで使用する給水タンクも、過去の使用実績から1機当たり300~400キロ軽くした。
そのほか、機内誌のページ数減(1冊当たり15グラム減)、貨物機の外部塗装をしないことで90~150キロの軽量化も実施している。全日本空輸(ANA)も食器類やコンテナの軽量化に取り組んでいる。
JALによると、B777型機1機当たり500キロの軽量化、年間で1000万円の燃料費削減が目標。1キロ当たり2万円の燃料費削減効果の換算で、軽量化による燃料費削減目標は、JALグループ全体で年間7億円を掲げている。
JALグループの航空運送にかかる燃料費は決算ベースで03年度が2448億円、07年度は4127億円だった。08年度予算では5100億円を見込んでおり、同社広報部は「軽量化などで徹底した燃料費削減に取り組んでいるが燃料費は年々増える一方。それだけ燃料費の高騰がすさまじい」と話している。
さまざまなところで軽量化をして、コツコツ燃料費削減に取り組んでいる姿勢はすばらしいと思います。しかし、燃料費高騰のペースが上回っているのは明らかです。
軽量化が燃料費削減につながるのでしたら、乗客の体重に対して運賃を課す、「メタボ加算」なるものが出てくるかもしれません。体重50キロの人と100キロの人で、輸送に使う燃料の量が違うということ。上記引用1kg軽量化で年間2万円から試算すると、10kgあたり約540円。
ただ、実際に「メタボ加算」なるものの導入には、個人情報や人権問題のために、困難だと思われます。価格競争、サービス競争をしている中、そんな新運賃を立ち上げることはリスクでもあります。それより、同じ視点からすれば、預ける手荷物の重量オーバーに対する料金加算の厳格化、などからですかね。
燃料費高騰は、航空会社も苦しいし、利用する旅客にも燃油サーチャージで苦しい。
投機的なマネーを動かしている方々、勘弁して下さい。